中学数学の参考書おすすめの選び方|レベル別に失敗しない1冊の見つけ方

中学数学の参考書を選ぶ前に知っておきたいこと

書店の棚には、中学数学の参考書がずらりと並んでいます。表紙の印象や口コミだけで選ぶと、数日で使わなくなることも少なくありません。まずは参考書の役割と、いまの自分の状況を整理するところから始めてみましょう。

参考書と問題集は役割がちがいます

参考書はなぜそうなるのかを理解するための本で、問題集は理解したことを使えるようにするための本です。たとえば一次方程式なら、参考書で移項のしくみを読み、問題集で何十問も解いて手を慣らします。

どちらか片方だけだと、わかったつもりで点が伸びなかったり、解き方を丸暗記して応用問題で止まったりしやすくなります。最初は解説の丁寧な参考書を1冊、次に演習用の問題集を1冊という順番で揃えると、無駄な買い物が減ります。

中学数学でつまずきやすい単元を押さえる

中学数学では、学年が上がるにつれて壁になる単元がはっきりあります。そこを先に知っておくと、参考書の目次を見たときに自分に必要な章がすぐわかります。

学年つまずきやすい単元原因になりやすい点
中学1年正負の数、文字式、方程式小学校の算数から記号の扱いが一気に変わる
中学2年連立方程式、一次関数、図形の証明式とグラフ、図形と論理を結びつける力が必要になる
中学3年二次方程式、関数y=ax²、三平方の定理、円周角公式が多く、使い分けの判断が難しい

表を見て、自分が止まっている学年と単元に印を付けてみてください。苦手が1年生の範囲にあるなら、3年生向けの参考書を買うよりも、1年生の内容に戻れる本を選ぶほうが近道です。

いまのレベルを確かめる簡単な方法

購入前に、手元の教科書や学校のワークで直近のテストの見直しをしてみます。間違えた問題が計算ミスなのか、解き方がわからなかったのかを分けるだけで、必要な本が変わってきます。

  • 計算ミスが多い人は、基礎の計算を反復できる本を選ぶ
  • 解き方がわからない人は、解説が文章で丁寧な参考書を選ぶ
  • 解き方は知っているのに時間が足りない人は、演習量の多い問題集を選ぶ

この3つのどれに当てはまるかで、次の章で紹介するレベル別の選び方がそのまま使えます。迷ったら、学校の先生や通っている塾の講師に、直近のテスト用紙を見せて相談するのも手です。

レベル別に考える中学数学の参考書の選び方

同じ中学数学でも、目指すゴールによって向いている本は変わります。基礎固め、定期テスト対策、高校入試の上位校対策の3つに分けて、選ぶときの目安をまとめました。

基礎に不安がある場合は解説の多い本から

計算や方程式でつまずいている場合は、1ページあたりの情報量が少なく、解説がやさしい本が向いています。くもん出版の「中学基礎がため100%」のように、短い単元ごとに区切られたシリーズは、毎日少しずつ進められるので続けやすいです。

学研の「中学数学の解き方をひとつひとつわかりやすく。」は、解き方の手順を言葉で説明してくれる点が特徴です。式の変形が頭の中でつながらない人に合っています。見開きで1テーマが完結する形なので、ゲーム感覚で進めることもできます。

定期テストで点を取りたい場合は教科書に合わせる

定期テストは、学校で使っている教科書から出題されます。そのため、教科書の内容と並び方が合っている本を選ぶのが近道です。新興出版社啓林館の「教科書ワーク」のように、教科書ごとに版が分かれているシリーズは、授業の進度に合わせて使えます。

テスト2週間前から始めるのではなく、授業で1単元が終わるたびに該当ページを解くと、前日に慌てることがなくなります。間違えた問題には印を付けておき、テスト直前はその問題だけを解き直すと効率がいいです。

高校入試の上位校をめざすなら総合型の本を

難関の公立高校や国立の附属高校、私立の上位校を考えている場合は、基本から応用まで1冊で網羅している本が役に立ちます。数研出版の「チャート式 中学数学」は、例題から入試レベルまで段階的に載っていて、学年をまたいで使えます。

量が多いため、最初から全部やろうとせず、苦手な単元の例題だけを先に消化していくのがコツです。そのうえで、志望校の過去問に取り組み、足りない単元に戻る流れにすると、無理なく仕上がります。

目的別に見る中学数学の参考書の特徴

ここでは、書店で見かけることの多い代表的なシリーズを、目的ごとに比べやすいように整理します。内容や価格は改訂で変わる場合があるので、購入前に最新版を確認してください。

代表的な参考書を表で比べる

シリーズ名出版社向いている人特徴
中学基礎がため100%くもん出版計算や基礎に不安がある人単元が細かく区切られ、毎日続けやすい
中学数学の解き方をひとつひとつわかりやすく。学研プラス解説を読んで理解したい人手順を言葉で丁寧に説明している
教科書ワーク新興出版社啓林館ほか定期テストで点を取りたい人教科書ごとに版が分かれ、授業と進度を合わせやすい
チャート式 中学数学数研出版入試上位校をめざす人基本から応用まで網羅し、辞書的にも使える

表の中で、自分の状況に近い行が見つかったら、そのシリーズの該当学年を書店で手に取ってみてください。シリーズ名が同じでも出版社の改訂で構成が変わることがあるため、サンプルページを読んでから決めると安心です。

書店で中身を確かめるときの3つの視点

買う前に、最初の1単元だけでも読んでみます。その際に見るポイントは次の3つです。

  • 解説の文字量が、自分にとって読みやすいか
  • 例題と練習問題の難しさの差が、極端でないか
  • 間違えた問題を見直しやすい、解答の書き方になっているか

この3つは、続けられるかどうかに直結します。難しすぎる本は挫折につながり、簡単すぎる本は力がつきません。自分が7割ほど解ける程度の難しさが、いちばん伸びやすいラインです。

数学が好きな人が次に広げたい学び方

学校の範囲がすでに得意で、もっと深く学びたい人もいます。その場合は、入試問題集のほか、図形や整数の難問を扱う本を選ぶと世界が広がります。東京大学や京都大学の数学の入試問題は、中学で習う三平方の定理や整数の性質が、形を変えて何度も登場します。

中学のうちに、証明や論理的な説明に慣れておくと、高校数学で大きな差になります。解けた問題でも、答えまでの筋道を自分の言葉で説明してみる習慣は、そのまま大学受験にもつながります。

参考書を最後まで使い切る勉強法

せっかく選んだ参考書も、使い方しだいで成果が大きく変わります。買って満足してしまうことがないよう、続けるための工夫をまとめました。

1冊を繰り返し解くほうが力がつきます

あれこれ手を出すより、1冊を3周するほうが力がつきます。1周目は全体の流れをつかむ、2周目は間違えた問題を中心に解く、3周目は何も見ずに解けるかを確認する、という使い分けです。

最初の1周は完璧を求めなくて構いません。わからない問題には印を付けて先に進み、2周目で戻ります。止まってしまうと、そのまま使わなくなるきっかけになってしまうので、テンポよく進めることを優先してください。

間違いノートで同じミスを減らす

間違えた問題をノートに貼って、どこでつまずいたかを一言メモしておくと、見直しの効率が上がります。ノートは丁寧にまとめるより、間違えた理由を一行で書くことを優先すると、続けやすいです。

たとえば連立方程式なら、符号を写し間違えたのか、消去する文字を選ぶ順番を迷ったのかで、対策が変わります。ノートを定期的に読み返すと、自分の癖が見えてきて、テスト前の見直しが短時間で済みます。

塾や学校のサポートを上手に組み合わせる

独学で止まってしまったときは、塾や学校の先生に質問する選択肢があります。集団授業の栄光ゼミナールや早稲田アカデミーなどの学習塾では、教科書の進度に合わせた授業と、定期テスト対策の講座が用意されています。個別指導を選ぶと、自分の苦手単元に絞って質問できます。

家庭学習で参考書を進め、わからなかった箇所だけを塾や学校で質問する形が、いちばん無駄がありません。参考書と授業のどちらかに頼りきらず、両方を補い合う使い方を意識すると、中学数学の力が確実に積み上がります。