中学数学の基本公式を完全マスター:計算・図形・関数を徹底解説!

計算分野の基本公式

中学数学の基礎を支えるのが「計算分野」の公式です。
ここで紹介する公式は、すべての単元の土台になる大切なポイントです。しっかり理解しておくことで、方程式・関数・図形問題など、どんな応用問題にも対応できるようになります。公式を覚えるだけでなく、どのように使うかもセットで学んでいきましょう。


正の数・負の数の計算ルール

正負の数の計算は、すべての数学の始まりです。まずはルールを明確にして、間違えやすいパターンを整理しておきましょう。

  • 同じ符号同士の足し算はそのまま符号を引き継ぐ
  • 異なる符号の足し算は絶対値の大きい方の符号をつける
  • 掛け算・割り算は符号の数で決まる(マイナスが偶数個→プラス、奇数個→マイナス)

これらのルールは、数直線でイメージすると理解しやすくなります。
例えば「-3 + 5」は数直線上で左から右に5進むため、結果は「2」になります。
このように、符号の意味をイメージできることが重要です。
また、掛け算・割り算においては、マイナスが2つでプラスになる理由も、「負×負=正」というルールとして暗記するだけでなく、「逆の方向を2回反転すると元に戻る」と考えると理解が深まります。


式の展開と因数分解の基本公式

中学数学の中でも特に重要なのが展開公式と因数分解公式です。以下に主な公式を表でまとめます。

公式名内容
和の平方(a + b)² = a² + 2ab + b²
差の平方(a – b)² = a² – 2ab + b²
和と差の積(a + b)(a – b) = a² – b²
因数分解a² + 2ab + b² = (a + b)²

これらの公式は、展開と因数分解が表裏一体であることを示しています。
たとえば、(x + 3)² を展開すると x² + 6x + 9 になり、逆に x² + 6x + 9 を因数分解すると (x + 3)² になります。
この関係を理解すると、問題を見た瞬間に「どちらの方向で使うか」を判断できるようになります。


一次方程式・二次方程式の解き方公式

一次方程式は「ax + b = 0」の形を基本とし、未知数xの値を求めることが目的です。
手順は以下の通りです。

  1. 移項してxを含む項と定数項を整理する
  2. 係数で割ることでxの値を求める

例:2x + 6 = 10 → 2x = 4 → x = 2

一方、二次方程式は「ax² + bx + c = 0」の形をしており、次の公式で解きます。

x = { -b ± √(b² – 4ac) } / 2a

この解の公式を使うと、複雑な問題も一発で解けるようになります。
ただし、判別式 D = b² – 4ac の値によって解の個数が変わる点にも注意が必要です。


図形分野の基本公式

図形分野では、面積・角度・比に関する公式が中心です。
計算問題だけでなく、作図や証明問題でも頻繁に登場するため、しっかり整理しておきましょう。
公式を暗記するだけでなく、「どの場面で使うか」を理解しておくことが得点アップのカギになります。


三角形と四角形の面積公式

面積の公式は次の表にまとめられます。

図形面積の公式
三角形(底辺 × 高さ) ÷ 2
平行四辺形底辺 × 高さ
台形(上底 + 下底) × 高さ ÷ 2
ひし形(対角線 × 対角線) ÷ 2

三角形の面積公式は、中学数学のすべての図形問題の基礎です。
たとえば、台形やひし形の面積も、三角形をいくつか組み合わせることで導けます。
このように、図形の面積公式は相互に関連していることを理解しておくと、公式を忘れにくくなります。


角度の性質と三角比の基礎

角度を求めるときに使う基本的な考え方は、「直線は180°」「三角形の内角の和は180°」というものです。
また、円や多角形の角度を求める際には、以下のような公式を覚えておきましょう。

  • n角形の内角の和 = (n – 2) × 180°
  • 正n角形の1つの内角 = ((n – 2) × 180°) ÷ n

さらに中学3年生で登場する三角比(sin・cos・tan)は、図形と関数の橋渡し役です。
直角三角形で「角度と辺の比」を結びつけるもので、角度から長さを求める際に非常に便利です。


円と円周・面積の公式

円に関する基本公式は次の通りです。

内容公式
円周2πr
面積πr²
弧の長さ2πr × (中心角 ÷ 360°)
扇形の面積πr² × (中心角 ÷ 360°)

π(パイ)は円の周の長さと直径の比を示す定数です。
これらの公式を覚えると、扇形の面積や円弧の長さを瞬時に求めることができます。
特に定期テストでは、「半径を2倍にしたとき面積がどう変わるか」といった比例関係の問題もよく出題されます。

関数・比例反比例の基本公式

中学数学の中で関数は、数量の変化を扱う重要な分野です。特に比例・反比例・一次関数・二次関数の公式は入試でも頻出。これらを整理しながら、どのように使うかを具体的に解説します。


比例と反比例の関係

比例とは「y = ax」という形で表され、xの増加に応じてyも一定の割合で増加する関係を指します。
一方、反比例は「y = a / x」という形で、xが増えるとyが減る関係になります。

例えば、xが2倍になったとき、比例ではyも2倍になりますが、反比例ではyは1/2になります。
このように、比例定数aがどのように影響するかを理解することがポイントです。

図で表すと、比例は原点を通る直線、反比例は双曲線となり、形から関係性をつかみやすくなります。


一次関数の基本公式

一次関数は「y = ax + b」で表され、aが傾き、bが切片を示します。
傾きaは「xが1増えたときにyがどれだけ変化するか」を意味します。

例えば、y = 2x + 1 なら、xが1増えるごとにyは2増え、グラフは右上がりになります。
一次関数の学習では、以下の3点を意識すると理解が深まります。

  • 傾きaの符号でグラフの向きを判断する
  • bが大きいほど、y軸との交点が上に移動する
  • 2点 (x₁, y₁), (x₂, y₂) がわかるとき、傾きは (y₂ – y₁) / (x₂ – x₁) で求められる

このように、一次関数は変化を可視化する数学です。実生活でも速さ・料金・距離などに応用されます。


二次関数の形と特徴

二次関数は「y = ax² + bx + c」で表されます。
aの符号によってグラフの開き方が変わり、a > 0なら上に凸、a < 0なら下に凸の放物線になります。

頂点の座標は次の公式で求められます:
x = -b / 2a, y = c – b² / 4a

この公式を使えば、グラフの形を素早く描けます。
また、軸対称性(y軸に対して左右対称)を理解しておくことで、問題の見通しが立ちやすくなります。


確率・データ分野の基本知識と公式

確率とデータの分野は、生活の中の「偶然」や「傾向」を数学的に考える単元です。
この分野は単なる暗記ではなく、「なぜそうなるか」を理解することが得点アップの秘訣になります。


確率の基本ルール

確率の基本式は非常にシンプルです。

確率 = 起こる場合の数 ÷ 全体の場合の数

例えば、6面サイコロで「偶数が出る確率」は 3/6 = 1/2 です。
また、複数の事象を扱うときには以下のルールを覚えておきましょう。

  • 同時に起こる確率は掛け算で求める
  • どちらかが起こる確率は足し算で求める

樹形図を描くと、複雑な問題も整理しやすくなります。


平均・中央値・最頻値の違い

データをまとめるときに登場するのが平均(mean)・中央値(median)・最頻値(mode)です。
それぞれの意味を整理すると次のようになります。

用語意味
平均値全データの合計 ÷ データの数
中央値小さい順に並べたときの真ん中の値
最頻値最も多く出現する値

例えば、テストの点数が「60, 70, 70, 80, 90」なら、平均=74、中央値=70、最頻値=70です。
このように、データの見方によって結果の印象が変わる点も興味深い特徴です。


ヒストグラムと度数分布表の読み方

ヒストグラムは、データの分布を視覚的に把握するグラフです。
度数分布表で階級(例:50〜59点、60〜69点など)ごとの人数をまとめ、それを棒グラフとして表現します。

表を作るときは、階級の幅を揃えることと、合計人数を確認することが大切です。
このグラフを読むことで、どの範囲にデータが集中しているかを瞬時に判断できます。


応用問題での使い方と考え方

ここでは、学んだ公式を実際の問題にどう使うかを具体的に紹介します。
入試や定期テストでは、単に公式を覚えているだけでなく、状況に応じて「どの公式を選ぶか」が問われます。


計算分野の応用例:文章題への活用

文章題では、「どの公式を使うべきか」を読み取る力が試されます。
例えば、「ある商品の価格x円に消費税10%がかかる」とあれば、
価格の合計は x × 1.1 となります。

また、「速さ・時間・距離」の関係も公式化して覚えておきましょう。

速さ × 時間 = 距離

この式を変形することで、どの値でも求めることができます。
問題文を式に翻訳する力をつけることが、文章題攻略のカギです。


図形分野の応用例:相似と証明

図形問題では、相似の条件を使って辺の長さを求めたり、角度を導いたりします。
相似の3条件は次の通りです。

  • 3組の角がそれぞれ等しい
  • 3組の辺の比がすべて等しい
  • 2組の辺の比とその間の角が等しい

これらを使うと、複雑な図形問題もシンプルに解けます。
また、証明問題では「仮定→根拠→結論」の流れを意識すると、論理的な文章が書けます。


関数の応用例:グラフと図形の関係

関数の応用問題では、グラフと図形の面積や交点を求める問題がよく出ます。
例えば、一次関数y = 2x + 3とx軸の交点を求めるには、y = 0を代入します。
すると 0 = 2x + 3 → x = -1.5 となります。

このように、グラフの性質を方程式で表すことが理解のポイントです。


公式を定着させる勉強法

最後に、公式を「覚える」から「使える」に変えるための学習法を紹介します。
数学が苦手な生徒に共通するのは、覚えた公式を実際に使っていないことです。
ここでは、具体的な練習方法とコツを紹介します。


ノート整理と色分け

公式ノートを作るときは、次の3色を意識して使うと効果的です。

  • 青:公式
  • 赤:例題
  • 緑:注意点や間違えやすい箇所

このように整理することで、視覚的に記憶しやすくなります。
また、1ページ1単元にまとめることで復習も効率的になります。


問題演習での反復

公式は使ってこそ身につきます。
特に中学数学では、1つの公式が複数の単元にまたがって登場します。
同じタイプの問題を3回以上解くことで、自然に手が動くようになります。

また、間違えた問題を「間違いノート」にまとめると、弱点を可視化できます。


実生活と結びつけて覚える

数学は身の回りにあふれています。
たとえば、買い物の割引計算は百分率、地図の縮尺は比例、
建物の影の長さは三角比の応用です。

このように、日常の中で公式を意識することで、
ただの暗記ではなく「感覚的理解」が得られます。